皇太子さまが今夏、お忍びでパラリンピック銀メダリストの伴走をしていたことがわかった。来年5月1日の新天皇即位まであと半年。「国民の中に入っていく皇室」を目指す新しい天皇像の一端が見えてきた。 6月26日夕。木々に囲まれた東京・赤坂御用地。 「走りやすいですか」。皇太子さまが隣のランナーに声をかけた。リオデジャネイロパラリンピックの視覚障害者女子マラソン銀メダリスト、道下美里さん(41)=三井住友海上=だ。 皇太子さまは「伴走」と書かれたビブス(ゼッケン)を身につけ、蛍光の黄色の伴走用ロープを右手でにぎり、左手にロープをつかむ道下さんに声をかけながら約1・5キロの道を走った。 道下さんによると、皇太子さまは最初のでこぼこの道で「これは何とお伝えしたらいいのでしょうか」と戸惑いを見せていたが、数分走ると息が合い始めた。カーブの手前で「右に曲がっていきます」、足場の悪い道の手前で「でこぼこがあり