【注意】このインタビューは、漫画『ゴールデンカムイ』の完全なネタバレを含みます。ご了承いただける方はお読みください。 (#2の続き) 連載の中で最も大切にしていたこと ――ところで、全く作中で差別や迫害について描いていないわけではありませんよね? はい。おっしゃる通り、第1話にもその他にも描いています。 勿論、差別用語や、日本とロシアの都合で翻弄される少数民族たちのことなどを露悪的にはならぬよう、僕なりのアプローチで描きました。 そもそも和人からの迫害に対する蜂起のための軍資金である金塊を追うのが、この物語の縦筋ですからね。 とにかく描く上で大切にしたのは、「素晴らしいと感じたアイヌ文化をそのままポジティブに伝えよう」という点と、「和人もアイヌも同じ人間、善人も悪人もいるフェアな存在として描こう」という点でした。 それに、アンケート結果が反映されるシビアな大衆漫画誌の冒険活劇で、シリアスか
【注意】このインタビューは、漫画『ゴールデンカムイ』の完全なネタバレを含みます。ご了承いただける方はお読みください。 (#1の続き) 博物館が『ゴールデンカムイ』にもたらした功績 ――アイヌに関連する博物館が貢献した役目についても最終回で言及されていましたね。 はい。キラウシやチカパシのマキリを作って頂いた浦川太八さんという御年80歳以上の猟師兼、工芸家の方がいらっしゃいます。 浦川さんとは今でも交流があるのですが、若い頃、工芸を始めたときは博物館へ通って収蔵品から技術を学んだそうです。 「自分が作ったものを見れば、後のアイヌが真似して作ってくれるから」と、博物館にもたくさん作品を納品されています。 他のアイヌ工芸家さんも、皆さん博物館へ足を運んで刺激を受けているそうです。博物館は、アイヌ文化の保護に非常に重要な役目があるという一つの事例ですね。他にも例えば、アシㇼパの夏の靴。ブドウ蔓で作
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