MITのメディア・ラボが"Tomorrow's TV"というプロジェクトを始めたのはもう十年ぐらい前のことだっただろうか。ちょうど、ニコポンが出した本が流行って、”アトムとビット”がBuzz Wordだった頃だ。あの頃の問題意識は「この使いにくいPCが主流になるなんて、そんな醜い未来が許される訳がない。ユーザーフレンドリーなインターフェイスとして、TVがプラットフォームとして進化して、ネットやマルチメディアへの入り口となるべきだ。」と言うことだったと思う。 メディア・ラボのこういう価値観は今の100ドルPCまで一貫している。ただ、あそこの価値観は、西海岸のフラワームーブメント的な楽天性とはどこか違うのではないかと思う。理想主義的というか、何というか。シリコンヴァレーが信奉する価値観が自由主義であるなら、それに対してボストンの第一の価値観は理想主義なのではないか。この二つが矛盾する訳ではなく