前回のコラムで「クルマ」と「デジタル家電」を安易なアナロジーで論じたことは反省しなければならない。製品アーキテクチャ面でも,クルマは「摺り合わせ型」,デジタル家電は「組み合わせ型」と両極にある。ただし,クルマ業界は家電業界の「モジュールの手法」に,家電業界はクルマ業界の「コア技術をブランド価値向上に結びつける考え方」など,互いに参考になるところは多いはずだ。両者の「違い」と「類似性」をきちんと明確にしたうえで,良いところを学びあう姿勢が重要だと思われる。 前回のコラムで多くのご意見をいただいた。深く感謝したい。皆様の関心を引いたのは,価格下落とその理由としての開発リソースのかけ方について,デジタル家電と自動車を筆者がやや乱暴に比較したことの是非にあったようである。例えば,次のような意見だ。 ■車と家電品を並列に論じるのは,無理があると思います。根本的に車という垂直統合型ビジネスと,家電やパ