2010年のノーベル医学・生理学賞受賞が決まった英ケンブリッジ大名誉教授のロバート・G・エドワーズ氏(2005年5月19日撮影)=AP 世界初の体外受精児を誕生させたロバート・エドワーズ英ケンブリッジ大名誉教授へのノーベル医学生理学賞授与が決まったことに対し、ローマ法王庁(バチカン)で生命倫理問題を担当する生命アカデミーのコロンボ委員は4日、「深刻な道徳的疑問を引き起こす」と批判した。ANSA通信が伝えた。 委員は、名誉教授の研究について「重要な科学的業績で、体外受精を通じてたくさんの子供が生まれた」と評価しながらも「子宮に戻されなかったことなどから、胚(受精卵)の段階で失われた多くの人の命を忘れることはできない」と指摘した。 妊娠中絶に反対するバチカンは受精卵の段階で人間とみなしており、いくつもの受精卵から最適なものだけを選び子宮に戻す一方、残りを捨ててしまう体外受精にも反対している。(