ご無沙汰しております。現在、僕は箱職人の義父のもとで、お茶煎れ、菓子の買い出し、ペンキ塗り、犬の散歩、詰将棋、恋ダンスの練習、ファミコン版魔界村の攻略、平日スノーボード…といった箱の技術承継と関係のないことに追われる忙しくも充実した日々を無為に過ごしている。義父が箱つくりのイロハを教えようとしないのは「職が見つからないから職人に…」という浅はかな僕の考えを見透かしているからだと思う。職人の意地というやつだ。今、僕は無職。サラリーマン時代、僕は「無職は無意味、無価値」と口癖のように言っていた。その言葉は自分自身への呪いの言葉となってはねかえってきている。時計の針を戻せるのなら、あの頃に戻って「未来の自分に呪いをかけないで」と伝えたい。自分が無職になった今だから言える。言い訳や自己保身ではない。僕は間違っていた。無職は決して無意味や無意味なんかじゃない。いわば準備段階。さなぎ状態。僕のように比