アメリカの株高が止まらない。 新型コロナウイルスの感染拡大で2月末に暴落したはずのダウ平均株価は、その後、空前の悪化指標が相次ぐ中でも値上がりを続け、気がつけば27000ドルを回復。ナスダック株価指数は、なんと6月に入って史上最高値を更新する勢いだ。なぜ、こんなに上がるのか。「実体経済とのかい離」の声もどこ吹く風。その“ひとり旅”の理由を、この暴落劇に振り回されたニューヨークの担当記者が考えてみた。(アメリカ総局記者 野口修司) 2月24日 ニューヨーク株式市場は、文字どおり「暴落」を始めた。新型ウイルスの感染拡大が経済に深刻な影響を及ぼすのではないかとの見方から、「史上初の30000ドル」を目前にしていたダウ平均株価は、一転、急降下した。 (携帯電話で予定を管理できないので)手帳をめくってみると、その日は商社マンとランチをしていた。途中でオフィスに戻ったのを覚えている。 その週だけで35
