東京・渋谷のハチ公前交差点。行き交う通行人の頭上では、ビル(中央)の大型ビジョンに設置されたカメラが回る(7日、読売ヘリから)=高橋はるか撮影 信号待ちの歩行者の姿が、テレビモニターに映し出される。退屈そうに顔を上げた若い女性の顔をカメラがとらえた。その瞬間、赤い枠がパッと彼女の顔を囲む。コンピューターには自動的に「20代、女性」と登録された。 1日30万人が行き交う東京・渋谷のハチ公前交差点。その頭上約30メートルで、大型ビジョンの上下に設置された2台のカメラが通行人の姿を追っていた。 設置したのは横浜市の看板制作会社「アビックス」。大型ビジョンを見上げた歩行者の顔をコンピューターが自動識別し、広告別の視聴者の数や性別、年齢層などを分析する実験で、10月に始まった。イスラエルで開発された軍事技術の転用で、精度は「90%以上」と時本豊太郎社長(53)は胸を張る。「指名手配犯の顔を登録すれば