政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故による避難者の帰還に向け、放射線の年間積算線量に応じた安全指針をつくる。 震災後、当時の民主党政権が年間積算線量を1ミリ・シーベルト以下に下げるとした長期的な除染目標が事実上の安全基準と受け取られ、帰還の障害となっているためだ。国内外の有識者の意見を踏まえて原子力規制委員会が考え方をまとめ、政府が年内に取りまとめる。 政府は2014年春にも、避難指示区域のうち年間積算線量が20ミリ・シーベルト以下の「避難指示解除準備区域」への帰還を認める方針だ。避難指示が解除されれば住民は帰還できるが、「1ミリ・シーベルトでないと安全ではなく、帰れないという感覚が被災者に生じている」(政府関係者)のが現状だ。 政府は長期的な目標として1ミリ・シーベルトの除染基準は維持する。一方で新たな指針は、年間積算線量が5ミリ・シーベルトや10ミリ・シーベルトなど、線量の段階ごと