【ロンドン=林路郎】「鉄の女」の異名を持ち強力な指導力で英国経済を立て直したマーガレット・サッチャー英元首相が8日死去した。 87歳だった。元首相の報道担当者が声明を発表した。 1925年、英イングランド東部グランサム生まれ。59年の総選挙で初当選、下院議員になった。75年の保守党党首選で英国初の女性党首となり、79年の総選挙の保守党勝利で、英国史上初の女性首相となった。その後、2度の総選挙にも勝って、90年の辞任まで、首相在任期間は11年半に及び、20世紀以降の英国で最長期政権となった。 市場原理を重視し「小さな政府」を目指す政策を掲げ、労働組合のストを抑え込み、国営企業の民営化を断行。また、大幅な金融制度自由化を実施するなど、「サッチャリズム」と呼ばれる一連の政策で、「英国病」と呼ばれた、停滞していた英国経済を再生させた。