ソニーのパソコン事業を切り出して独立したパソコンメーカー「VAIO」(長野県安曇野市)は2016年7月26日、新たな経営方針を発表した。一時は東芝、富士通とのパソコン部門との統合も検討したが、単独での生き残りに向け、利益率の高い高級タイプに徹し、南米など海外向けの拡大も図る。既に黒字転換を果たしているが、パソコン主体の電機企業としての再出発が軌道に乗るか、注目されている。 メーカーとしての「VAIO」は、ソニーがリストラを進め不採算部門を整理するなかで「不要」として売却され、2014年に独立した会社だ。テレビ部門のように赤字体質ながら「家電の王様」だとして、ソニーグループ内に残った事業と大きく異なる扱いとなった。VAIOは投資ファンドの「日本産業パートナーズ(JIP)」(東京都千代田区)が、株式の約9割を持つ。 「日の丸パソコン」構想は破談 独立はしたもののはっきりした展望が開けないなか、