なぜ、同じ「経営」をテーマとしながらも、経営の実務と学問としての経営戦略の間には、これほどまでに大きな隔たりが存在するのか。たしかに、実務家が経営戦略の理論をそのまま実践しても、短期的な売上には貢献しないかもしれない。しかしだからといって、経営戦略は実務の役に立たない、と決めつけるのは早計である。経営の実務と学問としての経営戦略を適切に結びつけることで、その真の価値が見えてくる。本連載では、長く実務の世界に身を置きながら、学問としての経営学を探究し続ける、慶應義塾大学准教授の琴坂将広氏が、実務と学問の橋渡しを目指す。