表題の定理を紹介するために、いくつか言葉の定義をしなければならない。あまり厳密な定義 は、このホームページの性格上避けなければならないので、概略的な定義に留める。詳しくは、 専門書にあたられたい。 a、bを実数として、「a+bi」の形の数を複素数という。ここで、i は2乗すると-1になる性質を 持つ。複素数と平面上の点は1対1に対応する。従って、複素数全体というのは、平面全体をイ メージしてもらえばよい。 連結な開集合を領域という。これも、切れ目のない漠然とした広がりと考えればよろしい。 領域Dの各点Zに、それぞれ1つの複素数Wが対応しているとき、WはZの関数であるという。 領域Dのある点で、関数が微分可能ということも、実数関数のときの微分可能の定義を拡張し たものと考えてよろしい。領域Dの各点で微分可能であるとき、関数は正則であるという。 (この「正則」という言葉は、コーシーが1820年