「保育園落ちた、日本死ね」が流行語になったのも記憶に新しい今年、ぼくは一本の育児小説を刊行した。 『キッズファイヤー・ドットコム』 ホストが捨て子を拾って、世間に非難されながらもクラウドファンディングで子育てする——そんな内容の小説である。 編集者から「育児小説を」と依頼されてから実に6年が経っていた。 6年のあいだなにをしていたのか? 子育てである。 これまでそのことをあまり表立っては口にしていなかったのだが、実際大変すぎてネタにしているヒマもなかったのである。 日本の子育てはデスゲームです 今の日本で子育てすることの大変さは、連日いろいろなメディアが伝えているが、こればかりは体験しないとわからない部分が多い。 それに加え、男女・経済・地域によってそれぞれ、あまりに状況がちがいすぎるため、誰かが何か意見を言うたびに炎上しているのを見かける。 以前は他人事だったが、今ならわかる……はっきり