血のように冷たく 座ってもいいか? 泣いてもいいか? 冷たいコンクリートの暗い部屋。響くのはおれの疲れた足音。きしむ椅子。 くたびれたコートのポケットから、くすんだ銀色のパッケージを取り出す。「血のように冷たく、鋼のように硬く」、そうつぶやく。この街に生きるということ。涙すら出ない目をぬぐった。時は流れない。 パッケージを破って、おれは完全栄養食のブロックを取り出した。味のないブロックをむさぼり食った。空には月もなかった。音もなく雨が降る。汚染された水には、もはや名前もつけられていない。 ……というのが、だいたいの人間が持つ完全栄養食のイメージではないだろうか? おれもそう思っていた。 が、食べてみると意外によいものだと気づいたので、そのことを知らしめたい。知らしめたいって何様だ。 おれとおれの「餌」 その前に、おれの食生活を書いておく。 おれは基本的に朝食を摂らない。朝は弱い。そんな時間
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