2年前に発売された1冊のミステリーコミック。山口県を舞台に、次々と起きる不審死の謎に探偵が挑む物語です。実はこの作品の背景画の半分以上を手がけたのはいわゆる“塀の中”の人たちです。 なぜ、受刑者がコミックの制作に関わることになったのか、そこには、立ち直りにつなげてほしいという漫画家の思いがありました。 (ネットワーク報道部記者 吉永なつみ) 「社会復帰促進センター」は民間事業者のアイデアやノウハウを生かそうと、10年前に導入された国と民間が共同で運営する刑務所です。全国に4か所あり、美祢では犯罪傾向が進んでいない、初犯の受刑者合わせて1300人が収容されています。 そのミステリーコミックのタイトルは「汚れちまった道」。ベストセラー作家の内田康夫さんの推理小説が原作で、作中に登場する山口県の山あいの町の風景や神社、ホテルなどの背景画およそ60点は、山口県美祢市にある「美祢社会復帰促進センター