今回、発刊を記念したインタビューを敢行するために東京某所にある事務所に伺うと、昼下がりの日差しを背景にして、椅子に深く腰掛け、紫煙をくゆらせる“ファシスタ”の姿があった。平成を代表する評論家が明晰に語り尽くしたその来し方行く末とはーー。 2017年7月2日に投開票がされた東京都議選挙は、小池百合子率いる都民ファーストの会(以下、都民ファ)の圧勝に終わった。「あたらしい議会」を掲げる都民ファだが、緑地に白抜きの都民ファのイメージカラーには既視感がある。そう、小池が政界デビューを果たした日本新党のそれなのだ。 日本新党や都民ファなど「改革政党」をめぐる“熱狂”は、平成時代に何度も繰り返されてきた光景であり、それらはほとんど何も生み出してこなかったのは周知の事実である。しかし、現代日本人といえば、そんな改革幻想に、相も変わらず酔いしれている。平成という時代を評論家として生き、ポピュリズム(人気主