Isabella Dionisio(イザベラ・ディオニシオ)/1980年、イタリア生まれ。文学や言語への関心から、ベネチア大学で日本語を学ぶ。2005年に来日。お茶の水女子大学大学院修士課程(比較社会文化学日本語日本文学コース)修了後、翻訳者および翻訳プロジェクトマネジャーとして活動。 『源氏物語』にどんどん感情移入していった ──もともと古典が好きだったのですか。 そうですね。きっかけは母国・イタリアの小中学校でギリシア、ローマ神話を学んだこと。これを「原文で読みたい」と思いました。そこで高校は古代ギリシア語やラテン語など、クラシックな教育を重視する高校に進学しました。 高校では3年かけてダンテの叙事詩『神曲』を通読します。原文はイタリアの古い方言で書かれていて、理解するには哲学、宗教、政治の知識を必要とする、とても難しいもの。文化的背景も今とは違う。多くの生徒は拒絶反応を起こしますね。