ふることに伝う。 ある日、高天原にお住まいになられている神々が全員集まり、はるか下界を見降ろしながら会議を開かれました。 そして、いざな ぎ、いざなみ、のご夫婦をお呼びになり、玉飾りのある美しい『天の沼矛』を渡し、 「あの泥海のようにただよえる国を整え固めよ」 と命じられたのでございます。二人は天の沼矛を手に持ち、高天原と下界をつなぐ『天の浮橋』の上から、どろどろとした海原を見下ろしました。そして天の沼矛を降ろしてゆっくりとかき回しました。 ♪こをろ。 ♪こをろ。 そんな不思議な音が聞こえてきます。 そこで、さっと矛を引き上げました。すると、矛の先から塩のしずくがぽたぽたとしたたり、積もり固まり、やがて塩の球となりました。 この球はおのずからころころところがっているので『おのころ嶋』と名づけられました。地球の誕生でございます。 わたしたちのご先祖は、数十億年も前から、すでに地球が自転してい