2011年3月11日の東北・北関東における大震に際して 福島第1原発の危機と東北・北関東の復興の面から、今般の大震を考えてみたい。 【福島第1原発の危機について】 今般の地震が引き起こした福島第1原発の危機は、その勃発からさまざまな政治的力学が働いて、容易に推測することができた根本原因について作為的な読み替えが行われ、抜本的な危機対応が速やかに取られなかった。同時に、こうした稚拙な政治的対応は、原発技術の将来に対して取り返しがつかない悪影響をもたらす可能性すらある。 12日に福島第1原発1号炉で圧力異常が生じた時に、想定外の津波被害を受けた結果だとされた。しかし、こうした解釈は、明らかにおかしい。8キロしか離れていない福島第2原発では、いくつかの問題に見舞われたが、マイナーなものにとどまった。また、より深刻な地震被害を受けた女川原発でも、原子炉に深刻な問題は生じなかった。福島第1原発も、第