リスニングにしてもリーディングにしても、「自分にとって馴染みのあるトピックや内容は、馴染みのないものよりもはるかに理解しやすい」ということを裏付けた理論に「スキーマ理論」というのがあります。 この理論はもともと、ネイティブスピーカー用の読解のプロセス研究として始まったものですが、近年は第2言語習得にも応用されるようになってきました。 ここでは「英語教育現代キーワード事典」(安藤昭一編、増進堂)からスキーマ理論の項目の説明を引用してみたいと思います。 スキーマ理論 リーディング・コンプリヘンションは、読み手がテクスト(text)の活字から受動的に意味を汲み取る行為ではなく、スキーマ(Schema)と呼ばれる読み手の持つ先行知識(prior knowledge)とテクストの間の相互作用によって内容を再構築するプロセスとみる理論。 各個人の雑多な知識や経験はスキーマと呼ばれる数多くの構造的知識と