まずは、ハイテク家電メーカーの新任課長、鈴木さんを例に、マネージャの計画業務を考えてみましょう。 鈴木さんは今年、課長に昇格しました。マネージャとしての最初の仕事は、担当する商品領域の予算計画の作成です。彼は前任者の計画を参考にして今年度の予算計画を立てました。ところが半年後、彼の目標は達成不可能な状況に陥ってしまったのです。 事業部長:「君は今の状況をどう考えているのかな? いったい何がいけなかったのかね?」 鈴木:「わたしは普通に計画を立てました。景気の影響で、市場ニーズが変化してしまったのです」 事業部長:「ほう、君は市場ニーズの変化を予測できなかったわけだ。では聞くが、君は市場をどう予測し、何を根拠に予算計画を立てたのかね?」 鈴木:「予測というか……前年度の実績に基づいて前年比10パーセントの成長を見込みました」 事業部長:「これまでの成長は、景気上昇に引っ張られてのものだったが