◇思い出の品、世代超え 悠久山(長岡市悠久山)-栃尾(旧栃尾市・現長岡市)間の26・5キロを結び「トッテツ」の愛称で親しまれた「栃尾鉄道」。見附市中心部の上見附駅跡にほど近い、同鉄道の元車掌、多川昌敏さん(73)の自宅にお邪魔した。 出るわ、出るわ。切符に絵はがき、時刻表……。どこで手に入れたのか、駅の看板や駅長がかぶっていた帽子、当時の定期券まである。列車や駅の写真も数百枚。トッテツに関係するものは車両以外ほとんどそろっているのではないか。「僕が集めているのを聞きつけて、次第にみんなが持ってきてくれるようになったんだよ」と豪快に笑う。 ◇ 多川さんは中学卒業後、1953年に栃尾鉄道(合併後、越後交通)に入社。トッテツを就職先に選んだ理由は「鉄道が大好きだったから」。家のすぐそばにあった上見附駅で駅員として働き始めた。 50~60年代、トッテツは最盛期を迎える。終点の悠久山には同社が出資す