男尊女卑の文化が今も根強い中国で、夫からの暴力などに耐えてばかりの人生から抜け出そうと、ある女性が一人でロードトリップに出た。それまでほとんど旅行に出たこともなかったのに家を飛び出し、旅の様子をソーシャルメディアに公開していったところ、女性たちの共感を得て、一躍有名人になったという。 中国のおばちゃんロードトリッパー 彼女は毎晩、車の屋根の上に設置した小さなテントの中で丸くなって眠る。食事は駐車場でとることが多い。この半年間に娘と孫に会ったのは一度だけで、夫にはまったく会っていない。 中国中部の河南省に住む56歳の定年退職者、蘇敏(スー・ミン)は、これほど幸せなことはないという。 「私は妻であり、母であり、祖母でもあります。今回は自分探しのために旅に出ました」 従順に義務を果たすという中国の女性に課せられた期待に応えた後、蘇は新しいアイデンティティを持つこととなった。インターネット上で人気