いま僕が死んだら、こういう走馬灯を見るだろう 記憶 高校生になったとき、入学祝いで両親から電子辞書を買ってもらった。 最後に触ったのはいつだか覚えていないが、久しぶりに引っ張り出してきた。 ヒンジが破損してパカパカするけど、まだ動く。 当時は学校に電子機器を持ち込めることが嬉しくて、授業中は生意気にキーボードをパタパタ叩き知らない単語を調べていた。 電子辞書はすごい。何冊もの辞書がこんな薄い機械に収まっているのだから。 「ピアノ」「たこ焼き」「まつ毛」といったわかりきった言葉を調べては「ああ、なんでも載ってんだな」と思う。 思いついた単語を一通り調べ尽くしたとき、ある疑問が浮かんだ。 「下ネタはどこまで載っているのか?」。 僕のような頭の悪い高校生は大体こんなことしか考えていない。 そして辞書は裏切らない。下ネタもきちんと収録されていた。 電子辞書と紙の辞書の大きな違いの一つに、“調べた言