もう終わったことだけれど、わたしは一時期彼に10万円ほど貸していたときがある。 現金を貸していたわけでなく、生活費をひと月ごとに精算する際、彼の負担額をわたしに返してもらえなかったらいつの間にかその額になっていた。最初は数千円だった。(彼の方から借用書を書いてくれた。あとで調べたら正式な形式だった。彼は大学の入学金を親戚に立て替えてもらい大学に行っていたから、そこで覚えたのだと思う。) 彼は入社当初(試用期間だったからか)給料はわたしより低く、彼の家庭事情(詳しくは書かないけれど、それなりに訳あり)も考えたら、わたしも無理に払ってとは言えなかった。 1年かけてその額まで増えてしまう間に、彼は友人と数回泊まりがけで旅行に行っている(そしてよくわからないお土産を買ってくる)。3万円もするiPhoneケースをわたしに自慢してきている。いつもお酒を飲んでから帰ってきていた。 わたしは、そういうお金