この買収によって、ソフトバンクGの売上高は3兆円程度の規模から9兆円に成長しましたが、上述したようにCFのデータや貸借対照表のデータをみる限り、大きな経営難に直面したといわざるを得ません。したがって、アローラ氏が退任し、引退するはずだった孫氏が続投になったのも、この経営難ではとても孫氏が辞められないというのが正直なところではないでしょうか。 これだけ大きな有利子負債を抱えてCFが悪化した場合、この先、事業の再構築が急務になります。つまり、資金負担を軽くするために事業を売却するなどして、投資CFのマイナスを小さくしないと会社が持たないのです。 今年6月には、ソフトバンクG傘下のスーパーセルの売却が発表されました。同様にアリババ株式の一部売却やガンホー売却も発表されていますが、これらの動きはスプリント買収の失敗の穴を埋めるためのものです。 しかし、これだけで十分だとはいいがたいと筆者は考えます
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