安倍晋三首相は閣議決定しないまま8月上旬に70年談話を発表しようとしている。天皇は毎年8月15日に全国戦没者追悼式に出席し、「お言葉」を述べる。官邸が気にしているのは、安倍首相が歴史認識の転換を行なう内容の70年談話を出した場合、全国戦没者追悼式とは別に、天皇の特別な「戦後70年のお言葉」が発表されるという情報が流れたことだ。この“天皇談話”が出された場合、安倍談話は格下げされることになる。 では、天皇は終戦記念日にどんな「お言葉」を発表するのか。天皇のご学友で元共同通信記者の橋本明氏はこう見ている。 「ほとんど知られていませんが、陛下は4月のパラオ訪問に出発する際、羽田空港に見送りに来た安倍首相を前にこう仰っています。『(先の大戦では)激しい戦闘が行なわれ、いくつもの島で日本軍が玉砕しました。 このたび訪れるペリリュー島もそのひとつで、この戦いにおいて日本軍は約1万人、米軍は約1700人