2006年の長野連続放火事件で懲役10年の刑に服している「くまぇり」から先日届いた手紙を読んで思わず目頭が熱くなった。封筒の中には手紙と一緒に数枚の写真が入っており、それを拡大複写して返送してほしいという依頼だった。写真は彼女がまだ小さかった頃、家族と一緒に撮ったもので、家族全員が幸せそうにしているスナップ写真だった。彼女はそれを壁に貼れるくらいの大きさにして、両親や姉妹に送るのだという。 彼女は間もなく満期を迎え出所予定なのだが、その帰るべき家庭がうまく行っておらずバラバラなのだという。そこで、家族が仲良く暮らしていた昔を思い起こしてほしいと、その写真を家族に送るというのだ。彼女の両親とは2007年の一審判決の時に会って話したこともあるが、この家族にとってもこの事件は大変なことだった。くまぇりはまだ当時20歳だったが、いじめや不登校など忌まわしい思い出のある出身中学校など、10カ所近くを