大阪地検特捜部による郵便不正事件と、その後に発覚した証拠改ざん・犯人隠避事件を受けて、大林検事総長が年内に引責辞職する意向を固めたと報じられています(朝日新聞12月17日)。早くから辞職を求める声が政界などから出ていたようですが、事件の検証と再発防止策がほぼまとまったのを機に、検察の信頼を回復し、人心を一新する必要があると判断したものといわれています。 私も、引責辞職は当然であり、むしろ遅すぎたと感じるものですが、しかし、今回の引責辞職の経過と理由には、納得し難いものがあります。 第1は、検察の信頼を回復し、人心を一新するためという理由づけが、検察とその威信のことしか頭にないことをあらわしているという点です。検察の精鋭とその幹部が「犯罪」まで犯したという異常な事態は、関係者を処分しただけで回復できるものではなく、自らの監督責任を含む深刻な反省がまず必要なはずですが、この点が明言されていませ