【台北=村上太輝夫】フィリピン政府が国際振り込め詐欺事件で捕まえた台湾人容疑者14人を中国へ送ったため、台湾側が猛反発している。馬英九(マー・インチウ)総統は22日、事情説明のため訪れたロハス比大統領特使に対し強い不満の意を示し、謝罪を求めた。 事件は、マニラから中国の一般人に電話し、「あなたの個人情報が漏れている。資金を守ります」と持ちかけ、金を振り込ませたもの。昨年末、比当局が台湾人14人、中国人10人を逮捕した。被害額は1億4千万元(17億5千万円)に上る。司法管轄権と中台関係が絡む複雑な事件だ。 台湾外交部(外務省)によると、中国政府が容疑者全員の引き渡しを要求、台湾側は台湾人容疑者の送還を求めたが、比政府は今月2日に全員を中国へ送った。比側は当初、14人が台湾旅券を持っていないと説明したが、実は没収していたことも判明。台湾外交部は駐比代表(大使に相当)を召還し、比労働者の台湾