今回は「江戸時代のお金の価値」についてご紹介しましょう。 テレビの時代劇などでもよく扱われる江戸時代ですが、歴史的には、戦乱の世であった戦国時代が終わって政治が安定し、農業の技術も飛躍的に発達して人口も増え、農業以外の産業もおおいに発展した時代でした。 農業では木綿などの医療原料となる作物や、野菜、たばこ、お茶などの栽培が広がり、清酒(お酒)や醤油などの生産も普及しました。お金(通貨)の単位と発行制度も整備され、「両(りょう)」「分(ぶ)」「朱(しゅ)」をはじめとする金貨・銀貨が使われるようになったのもこの頃です。(コラム09「大判・小判から一文銭まで……江戸時代のお金のしくみは?参照」) 江戸時代と現在では、生活のしかたも、人々の使っていた品物の種類も、物価状況も違うので、お金の価値を単純に比べることはできません。 あくまで参考となる例として、日本銀行金融研究所貨幣博物館の資料では「当時