愛知県がんセンターは2月14日、かかりつけ病院と協力し、オンライン診療を活用した完全リモート治験を開始すると発表した。希少がんなどの治験を実施する医療機関は全国に数施設しかなく、県境を跨ぐ移動の負担などから、治験に参加を断念せざるを得ない、いわゆる“がんゲノム難民”が課題となっている。愛知県がんセンター薬物療法部の室圭部長(写真左)は本誌取材に対し、「様々な地域から患者さんがいらっしゃるが、治験の通院だけでも非常に負荷がかかり、負担が大きい。地域の病院と連携することは、患者さんのメリットが大きく、治験を広く展開するうえでも、医療者側や治験依頼者の製薬企業にも十分メリットがある」と語った。まずは、2つの医師主導治験で開始し、今後は企業治験にも拡大したい考えだ。オンコロジー領域で、フルリモートの治験が実施されるのは、国内で初めて。 ◎薬物療法部・谷口医長「遠方の患者が治験に参加できる枠組みを考