最近、製薬企業の間で活用に向けた取り組みが急速に進む「リアルワールドデータ」。実臨床から得られる膨大な医療データは、製薬企業に何をもたらすのでしょうか。アイ・エム・エス・ジャパンの松井信智氏(リアルワールド・データコンサルティング シニアプリンシパル)に話を聞きました。 「今まで見えなかったものが見えるように」 リアルワールドデータ(RWD)とは、臨床現場から得られる匿名化された患者単位のデータのこと。レセプト(診療報酬明細書)や電子カルテがその代表です。2015年ごろから、アステラス製薬やエーザイ、中外製薬、塩野義製薬などが相次いで専門部署を立ち上げており、製薬企業の間でその利活用に向けた動きが進んでいます。 ここ数年で急速に盛り上がりを見せてきたRWD。松井氏はその背景として「やはり国の動きが大きい」と指摘します。 2016年、厚生労働省はレセプトデータベース(NDB)を公開し、今年4
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