複数の保険会社の商品を取り扱う「乗り合い代理店」への締め付けがギリギリと厳しくなってきた。平成28年5月に導入される販売規制の概要が公表され、金融庁が代理店を直接監督・指導し、商談の詳細な過程や手数料の報告などが義務付けられることになった。3月末には社員ではない販売スタッフへの委託販売が禁止され、包囲網は着実に狭まっている。乗り合い代理店は、従来の高成長が難しくなるどころか、淘汰(とうた)の波が訪れつつある。 公平を装いながら「偏った販売」 「いじめられているな」。ある乗り合い保険代理店の幹部はこう胸の内を明かす。金融庁が2月18日に公表した改正保険業法の施行規則と監督指針の案を受けての感想だ。 乗り合い代理店は、公平を装いながら、顧客に勧める商品が保険会社から受け取る販売手数料の高いものに偏っているとかねてから指摘されてきた。「消費者に疑念が生じている」。昨年12月に金融庁が開いた金融ト
