* 迷宮としての世界(上)――マニエリスム美術 (岩波文庫) 作者: グスタフ・ルネ・ホッケ,種村季弘,矢川澄子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/12/17メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 56回この商品を含むブログ (18件) を見る* (昨日から続く)たとえば、文庫版の上巻26ページから27ページの文章。ここでホッケは師のクルティウスにならって、「マニエリスム」という用語を拡張し、後期ルネサンスの特定の様式を指すばかりではなく、より一般的概念として使おうとしている。 ところが、すでに「マニエリスム」という用語は、時代的に限定された様式を示す言葉として美術史畑では定着している。さて、どう折り合いをつけたらいいのか、ということを論じているのがこの部分である。本書第一部を担当した矢川はここを以下のように訳している。 * とはいえ、いうまでもなく時代的に局限された意味での