【モスクワ=緒方賢一】ロシアが定める法的な手順に従い、北方領土を訪れる外国人が急増、2012年は650人にのぼったことが25日、ロシア当局の資料からわかった。 多くは単純労働に従事しているとみられるが、米韓などの企業関係者も含まれる。日本との間で北方領土の帰属問題が未解決なまま、ロシアが一方的に開発を急ぐ実態が浮き彫りになっている。 国後島の消息筋によると、北方領土に上陸する外国人の数は、ロシアが国後、択捉、歯舞、色丹の4島と千島の「発展計画」を定め、道路や病院など社会基盤の整備に着手した07年以降、徐々に増えた。12年には10年の2倍以上になったという。 人口が少ない4島では必要な労働力を確保できないうえ賃金が高く、低賃金の外国人が頼り。北朝鮮や、タジキスタンなどの中央アジアから労働者が入っているという。