1. 『世界』最新号(10月号。9月8日発売)を見て驚いた。シリア情勢を扱った記事・論文が一つもないのである。シリアという言葉すら、管見の範囲ではどこにもない。 月刊誌であるから発売日までに間に合わなかった、ということでは恐らくないのである。校了日が何日かは分からないが、情勢のさらなる緊迫化を促した化学兵器使用による虐殺は8月21日であったから、校了日前に、少なくとも、比較的小さいスペースで時事問題を扱う「世界の潮」欄で取り上げることくらいはできたはずである。実際、私の編集部在籍中でも、校了日前に重大な事件が生じたために大急ぎで「世界の潮」欄に書いてもらう、というのは普通に行なわれていた。 また、同号の編集長による編集後記には、「品川正治さんが8月29日朝、亡くなられた。」との記述がある。8月29日朝と言えば、米国によるシリアへの軍事介入の是非が世界的に問題になっている時期であるが、この編
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