文部科学省の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議で提出された、戦略コンサルタント冨山和彦氏の「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」が一部で話題になっている。 産業をグローバル(Gの世界)とローカル(Lの世界)に分けて、それぞれに必要な人材が異なるとし、それぞれのタイプの人材に適応した教育を行おうと言うのが趣旨だが、色々な部分で戦略コンサルタントらしい頭の悪さを発揮している。それっぽいが辻褄のあった議論が出来ていないし、現実も見ていない。 1. 労働生産性と言う指標の罠 まずは労働生産性と言う指標の意味を確認しておこう。冨山氏も書いているが、労働生産性=付加価値生産額/投入労働時間という事になる。この付加価値生産額と言うのが曲者だ。端的に言うと付加価値生産額は、売上から原価を引いた粗利益として計算される。だから、付加価