保育士になる夢を支えるみどり(仮名)は来春、短期大学の保育学科を卒業する。 中学時代からの夢だった保育士になる予定だ。 あと1回の実習を残すのみだ。 みどりの家庭は、貧しかった。そして荒れていた。 みどりは、6人兄妹の上から3番目。上の兄2人はすでに実家を出ていたので、みどりが弟や妹の面倒を見た。 弟たちの面倒を見るために高校には行かない、と言っていた時期もある。 しかし、保育士にはなりたかった。 周囲が後押しした。 無料塾で学習し、高校に進学した。 みどり。地域のソフトボールクラブでも活躍している高校は、無欠席、無遅刻、無早退で通した。 39度の熱があっても、登校した。 「意地だった」とみどりは笑う。 でも、高校から先の進学の見通しはなかった。 高校2年生のとき、みどりを取りあげた新聞記事が出た。 それを読んだ京都の松田嘉子さんは、新聞社に手紙を書いた。 「女性が社会に必要とされる時代に