統計はビッグだとか、データが最強だとか、なんだかハッタリ染みた見出しを最近よく見かけるのだが、もちろん読んでもいないのに批判するつもりなど毛頭ないのだが、道具の手触りを伴わない「らしいよ」情報は一般に、なんだかスゴいらしいよとか、これからは必須らしいよとか、要するに飲み屋でジョッキを片手に展開する他に、これといって出しどころがない。 じゃ実際に道具を使ってみようと、5分でわかるエクセル統計みたいな本を手に取れば、セルの羅列まで各ページに印刷してあって、やってみれば出来そうなものの、「面倒」と「だから何」のポリリズムが次々と襲ってくる。じゃ硬派な教科書をと、恐る恐る覗いてみれば、こんどは学生時代にあれほど忌み嫌った、クールな数式と演習問題のオンパレードで、頭痛の痛さといったら夢に出てくるレベルである。 統計も、辺境とはいえ数学の一部であって、学ぶための書籍を構成しようとすれば、大きく二種類に