自他共に認める「読書オタク」である筆者お勧めの本を毎月紹介していくこのコラム、今月は「グローバルな政治経済と動物を理解する本」という趣旨で選んでみました。 えっ、動物?と思われた方もいるかもしれません。しかし、人間はあくまで動物、生き物です。象ともアリとも、質的には全く一緒なのです。「人間は動物である」というベースを忘れてしまっては、政治経済をはじめ大局的に物事を理解することはできません。 まず、グローバルに政治経済を理解するとはどういうことでしょうか。たとえば、今年1月、中国のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射した事件がありました。これを、尖閣諸島をめぐる日中の争いだ、と理解している人が世の中には多い気がしています。 ただ、この事件には別の視点もありました。たとえば月刊「FACTA」3月号ではちょっとうがった見方を提示していて、あの事件は米中の間では擦り合わせができ