維新期のネガ、ウィーンに 先人の写真技術 貴重な資料(1/2ページ)2010年11月23日11時27分 ウィーンに残されていたガラス湿板ネガ。1871年に海を渡っていた=東大史料編纂所提供 幕末から明治にかけて活躍した2人の日本人写真家のガラス湿板ネガが、ウィーンの国立図書館に多数保存されていることが東大史料編纂(へんさん)所の調査で明らかになった。当時の写真の原板は、国内にはごく少数しか残っていない。黎明(れいめい)期の日本の写真技術を伝える貴重な資料だ。 オーストリア・ハンガリー帝国の使節団が1869(明治2)年に日本を訪れた。同行した写真家ウイルヘルム・ブルガーは71年に帰国すると、日本の風景や風俗を紹介する写真アルバムをつくり、皇帝に献上。そのアルバムとガラス湿板ネガが図書館に残っていた。 写真史を専門とする同編纂所の谷昭佳さんと、日大芸術学部助教の田中里実さんが10月に現地を訪ね