日本モンキーセンター綿貫さんから、一通のメールが来た 入院と手術、そして回復でだいたい終わってしまったゴールデンウィークがあけて、そろそろ仕事を本格的に再開しようとしていたとある平日の夜。 22時すぎになって、ちょっと疲れを感じ、ぼくはそろそろ読書でもしつつ、眠たくなったら眠ろうかと、1年前のSFマガジン(2016年4月号)に手を伸ばしたところだった。読まなければならないのにずっとスルーしていたグレッグ・イーガンの「7色覚」の最初のページを開いた。 そこにメールが飛び込んできた。 日本モンキーセンターのキュレーター(学術部研究教育室)の綿貫宏史朗さんからだった。 綿貫さんは、市民ZOOネットワークの事務局に長いことかかわってきた人物で、それゆえ、かなり前から知っている。獣医学科の学生時代には「ひづめ王子」の異名を取り、ひたすらひづめのある生き物への愛着を語っていた彼だが、現職の職域では当然