先日古本屋で、大森金五郎編『史籍解説』という小さな本を買った。これは戦前に作られた史籍専門の解題集(初版は1937年、三省堂。のち覆刻版が1979年に村田書店から出る。私が買ったのは復刻版)で、『古事記』だとか『吾妻鏡』だとかの書名を挙げたのち、巻数、内容、著者、編纂沿革、注意などの諸事項を簡単に解説している。収録書目は328点。 なお編者の大森金五郎は学習院大教授として有名な国史学者。早稲田大学での講義をきっかけとしてこの解題を編んでいたが、出版直前に死去してしまい、期せずして遺著となってしまったという(「はしがき」、「本書出版にあたって」)。 正直なところ、内容には誤りも少なくない。現在から見て間違っているのはともかく、初版刊行時(1937年)の水準からみてもどうなの?というところはままある。 また、『日本書紀』の次に江戸時代の『日本書紀通証』が出てくるように、古代・中世の史料と近世の
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