話題の新刊が並び、新聞も主要各紙を読むことができ、市区内に複数の館が開設されるなど近年、公共図書館の充実が著しい。しかしそれは読者にとって万々歳なのだろうか-と疑問を投げかける集会が都内で開かれた。こうした図書館には住民の要望が反映されているものだが、それが行き過ぎると大変なことになってしまうというのだ。一体どういうことなのだろうか。 本はタダで読むもの?今春、開かれた日本文芸家協会主催のシンポジウム「公共図書館はほんとうに本の敵?」には、作家の佐藤優氏や林真理子氏、東大大学院の根本彰教授(図書館情報学)、新潮社の石井昂常務取締役ら6氏がパネリストとして参加した。 新刊の文芸書が何冊も図書館に置かれることは利用者にとっては便利だが、それは本全体の売り上げ低下につながり、出版社や作家を圧迫して、結果的に良質な本が供給されなくなる。それは回り回って読者にとってもマイナスではないのか、との思いが