-その仮説をいかに証明するか?- 浦島充佳(東京慈恵会医科大学 薬物治療学研究室) 〔第7回〕高木兼寛「脚気病栄養説」(7) (2438号よりつづく) 臨床の中からすばらしい仮説を思いついたとしても,これを最後まで遂行するためには別のエネルギーを必要とします。実験研究は発案から論文の最後のピリオドまで1人でもできるかもしれません。 しかし,臨床研究は通常,相当数の患者さんを対象とすることが多く,倫理的,人的,経済的困難と衝突します。簡単なアンケート調査を1つするにしても,多くの人に長期に参加してもらうためにはアンケート以外に季節の便りや誕生カードを送ったりするなど心配りが必要です。 ましてや,ランダム化二重盲検臨床試験となると,説明する医療者および同意する患者側に大きな負担を強いることになります。また,小さな差を検出するためには数千人,数万人を対象に,時に10年以上にわたって追跡調査しなく
![医学書院/週刊医学界新聞 【〔連載〕How to make クリニカル・エビデンス(7)(浦島充佳)】 (第2439号 2001年6月4日)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1e2e46157030f538ff409136814774f6af5a6473/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.igaku-shoin.co.jp%2Fcommon%2Fimages%2Fcommon%2Figakushoin.png)