今年5月5日に逝去した冨田勲の未完の遺作『ドクター・コッペリウス』が、11月にBunkamura オーチャードホールで舞台化される。ソリストを務めるのはボーカロイドの「初音ミク」。ホログラムによる「彼女」の立体映像と、新進気鋭のダンサー風間無限、そして渡邊一正の指揮による東京フィルハーモニー交響楽団の演奏がコラボレーションする画期的な内容である。「オーケストラ作曲家」であり、「電子音楽の父」であった冨田勲の追悼公演にふさわしいプログラムと言えるだろう。 そして今回、そのイメージボードに手塚治虫タッチの初音ミクが描かれ大きな話題となっているが、冨田は1960年代半ばに放映された、『ジャングル大帝』や『リボンの騎士』『どろろ』など手塚の初期アニメ作品のサウンドトラックを手がけており、手塚治虫を語るうえで欠かせない存在でもある。初音ミクという二次元のヒロインが、時空を超え手塚と冨田を再び引き合わ