五線譜で描かれた丸二商店と西田書店五線譜で描かれた明治大学記念館岩井絵理さん 古本の町、東京・神田神保町の古い建物をテーマにした絵の連作を、この春に東京芸大大学院を修了した岩井絵理さん(26)が制作した。古本から和紙を作り、そこに描いた五線譜で建物を立体的に表現した。足しげく通った町の案内所で15日まで、作品展が音楽つきで開かれている。 タイトルは「本の街の音」。岩井さんは空襲を逃れた古い建物33棟を選び、その建物をイメージした曲を16人の同大音楽学部の学生に作ってもらった。その五線譜で建物を描いた。キャンパスは、古紙を交ぜて和紙を作る「浅草紙」という技法を用い、古本を原料に岩井さんが漉(す)いた。 「歴史がある東京の町並みが、どこにでもある町並みになることが寂しかった。古い建物と文化が残る神保町の姿を作品として残したい」。そんな思いが込められている。 再生紙に使う古本にもこだ