納税協会「Ｔａｘ Ｖｉｅｗ」は、武田隆二氏（大阪学院大学教授）、田中治氏（大阪府立大学教授）、八ツ尾順一氏（公認会計士・税理士）の交代執筆です。 最近における会計ビッグバンという表現の中で、その特徴 を支えるものが「時価評価」である。企業会計領域において金融商品について「時価」での評価が行われるようになり、 また、平成12年の税制改正に当たり、金融取引課税が導入されたことにより、「時価法」が脚光を浴びるようになった。 法人税制では、有価証券の信用取引等について、時価法の適用により期末に決済したものとみなして算出された利益の額 （又は損失の額）に相当する金額を益金の額（又は積金の額）に算入することとされた。 これまで会計学の領域では、ストックについては原価評価を、フローについては実現原則を中核として計算のフレーム ワークが成り立っていた。それが金融取引課税の立場からみると、前者については時価評価
